エリザベートのトート役歴代キャストは?歌唱力や比較ランキングが気になります!
今年で22年の歴史を誇る東宝ミュージカル「エリザベート」___”Der Tod(トート)”とは、ドイツ語で『死』を意味します。
日本では宝塚版でも東宝版でも、冒頭で”黄泉の帝王・トート閣下”と呼ばれて登場するのです。
全編通して『死』を司るそのキャラクターは、まさに『死神』。
彼はエリザベートとともにファーストシーンからラストの瞬間まで物語をけん引していきます。
そんな東宝ミュージカル「エリザベート」のトート閣下…”Der Tod”についてまとめてみました。
エリザベートのトート役歴代キャスト歌唱力など比較ランキング
エリザベートのトート役歴代キャスト歌唱力など比較ランキング…でご紹介したいのですが、どのトートも魅力的でファンとしては甲乙つけられませんでした。
そのため今回は歴代トートのご紹介と、そのトート独自の良さなどをまとめました。
山口祐一郎(2000年~2012年)
初代であり、トート役最長記録ホルダーの山口祐一郎さん。
2000年~2001年、2004年~2006年、2008年~2010年、2012年とおよそ9年もトートを演じられてきました。
劇団四季から始まったそのキャリアは日本屈指の大御所とも言うべきで、”世界三大ミュージカル”の「オペラ座の怪人」「レ・ミゼラブル」「キャッツ」のすべてに出演しています。
朗々とした貫禄の歌声のトートです。
内野聖陽(2000年~2005年)
2人目は山口祐一郎さんとともに初代ダブルキャストで出演した内野聖陽さん。
2000年~2001年、2004年~2005年とおよそ4年トートを演じています。
早稲田大学卒業後に文学座に入り、朝ドラ「ふたりっ子」などで全国区になった彼は、もともとストレートプレイ中心に活動していましたが、さらに表現を広げるためにとミュージカルにチャレンジしたのがこのエリザベートでした。
初演で山口さんが44歳の既に大御所、大して内野さんが32歳でした。
プラチナの透明感の強いウィッグにブルーを強調したメイクで、この時期のトートはお二人とも”人ならぬもの”のイメージがとても強いです。
この時の共演がもとで、内野さんは2006年にエリザベート役の女優・一路真輝さんとご結婚されました(残念ながら2011年に離婚)。
武田真治(2006年~2009年)
3人目のトートは武田真治さん。
2006年、2008年~2009年と3年トートを演じています。
当時34歳の彼はドラマ、映画、音楽とマルチな活動を続けていましたが朗読劇やストレートプレイの舞台を経て、初めてのミュージカルへのチャレンジでトートに挑みました。
山口祐一郎さんが身長186㎝、内野聖陽さんが177㎝というのが標準のイメージとなっていましたが、武田真治さんは165㎝。
なんと舞台に出ている間中ずっと「厚底ブーツが辛すぎてエリザベートに『早く俺のものになってくれよ!』って思ってた」___と後に語っていました。
そして武田版トートはこれまでの山口版・内野版のイメージを一新し、黒い髪に赤いメッシュというキャラになりました。
石丸幹二(2010年、2012年)
4人目のトートは石丸幹二さん。身長は174㎝です。
2010年、2012年と2度トートを演じています。
その当時45歳で、既に劇団四季を経て確固たるミュージカル俳優としての地位を築き、ドラマや音楽活動などにも積極的に取り組んでいた時期のトートデビューです。
その時点で既に大ベテランの山口祐一郎さん、25歳の城田優さんの間で絶妙のバランスをとっていました。
ウィッグはプラチナに濃いめのパープルのメッシュで、渋めのイメージです。
意外なところで共演なさっていましたね!(ドラマ「鉄の骨」2020年WOWOW)
城田優(2010~2016年)
5人目のトートは城田優さん。おそらくもっとも長身で190㎝です。
2010年、2015年~2016年と3度トートを演じました。
なんとこの時点で歴代最年少、若干25歳の抜擢です。
もともと17歳でミュージカル「美少女戦士セーラームーン」でタキシード仮面として俳優デビューした城田さん。
「テニスの王子様」や「スウィーニー・トッド」などで経験を積んでいた時期のトートデビューでした。
しかし、この当時のことを演出家の小池修一郎先生が述懐するに「まだ若すぎて、体に合わない既製服を着せていたみたいだった」とのこと。
5年後に再度出演が決まり、2015年、2016年と経験を積んだ彼を見て、小池先生が絶賛したのも今では懐かしい思い出です。
現在販売されているDVD、Blu-rayで城田さんの姿が残されているのはこの2016年の”White version”です。
マテ・カマラス(2012年)
6人目のトート、マテ・カマラスさんはハンガリー出身のミュージカル俳優で、ウィーン版「エリザベート」に22歳で出演を果たしています。
日本でトートを演じていたのは35歳の頃です。
ドイツ語、英語、ハンガリー語、そして日本語で歌うことができ、三都市・三か国語でトートを演じた唯一の俳優になりました。
ウィーン版では髪が短いトートですが、東宝版では地毛に近い色のブロンドでした。
カーテンコールなどで日本語のおしゃべりがとてもチャーミングでした。
井上芳雄(2015年~2022年)
7人目のトートは現在までで二番目に長い出演歴の井上芳雄さんです。
2015年~2016年、2019年、2020年(中止)、2022年と5度にわたりトートを演じています。
初代ルドルフを経て、トート閣下に華麗にリターンされました。
歌の巧さは言うまでもなく、その豊かな表現で新たなトートの時代を切り開いた井上さん。
ウィッグの色は黒みがかったプラチナで、細かい編み込みが特徴です。
城田優さんとともに、DVDの”BLACK version”に2016年公演の姿が残されています。
古川雄大(2019年~2022年)
8人目のトートは古川雄太さん。
2019年、2020年(中止)、2022年とトートを演じています。
彼もルドルフからリターンした2人目のトートです。
身長182㎝、ウィッグはブルーのメッシュが入ったプラチナです。
2016年までダブルキャストだったルドフル役の京本大我さんとの”マイヤーリンク”は素晴らしく美麗で、しかし、残念なことにジャニーズの肖像権の問題で一切動画や写真が残されていません。
本当に勿体ないことです…。
2020年のコロナ禍による中止を経て、今年、ますます深みのあるトートを演じました。
山崎育三郎(2020年~2022年)
9人目のトートは山崎育三郎さんです。
2020年は中止となってしまいましたが、2022年と合わせて2度トートを演じています。
彼はルドルフからではなく、もう一人のキーパーソン、ルイジ・ルキーニからの転身です。
2015年、2016年、2019年のルキーニ役を経て、満を持しての2020年公演がコロナ禍で中止になり、2022年になってようやく舞台に立つことができました。
身長は177㎝、ウィッグはほぼ単一なパープルの巻き毛です。
ダンスも歌唱力も申し分なく、これまでにない男性的なトートになりました。
彼は帝国劇場のみの出演でしたが、残念なことにコロナで終盤の公演が中止になり、千秋楽が迎えられませんでした。
次のチャンスに、また彼のトートが見られることを願っています。
二年前、公演中止になったあとで唯一残された公式のトートの歌声です。
幻の20周年記念動画
この動画に2019年までの全てのトート閣下が映っています。
エリザベートについて詳しく書かれたアニバーサリーファンブックも出てますよ。

こちらは発売早々に売り切れ、最近再販されました。
手に入れようと思っている方は、売り切れる前にどうぞ^^
エリザベートのトート役歴代キャストは?歌唱力や比較ランキングも!まとめ
・歴代トートは9人。
・重鎮、ベテラン、新人(若手)、外国人、ルドフルから復帰、ルキーニから復帰など、様々なキャストさんが演じています。
・すべて甲乙つけがたく、個性豊かで素晴らしいトート閣下ばかりでした。
エリザベートルドルフ役の歴代キャストは >> こちら
トートの最後の表情やキスシーンなどはこちら >> エリザベートのトート最後の表情とキスの解釈は?実在していた?
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